― 学校跡・帝国側拠点内 ―
[切り札となる予定だった魔器の一つが、それを一番に扱えたヴィンセントと共に失われて。
整ったはずの出撃準備がまた増えた。彼の残していった技術報告書を幾つか写して、残る『雷神の槌』の制御を確実とするために工兵隊へと戻す作業の途中で]
アイゼンシュタイン少尉が声をかけて、カディーネ中尉が写しを取っていた?
[その報告書>>5:185が届いた時に、ついでと教えられた。
二人の名前が並んだのは偶然の一致だと思うが、妙に暗示的で引っかかり、]
帝国側は魔石産出の可能性が残る鉱山に、公国以外の出入りも多い港を中心とした沿岸地域の地理全般。
公国側は交易ルート沿いの地理と、帝国より付け込み難い内部の情報……。