『……では、そなたらが再びここを訪れる事はない、という事か』
多分ねー。
でも、それが……。
[どうかした、と。
問うのを遮るように、『王』は空を仰いで一つ、吼える。
ただ、それは柔らかな、穏やかな響きを帯びたもの。
声は柔らかな光の粒子をふわりと呼び起こし、光は右手首の腕輪へと集約して、消えた]
……
[一体、何が起きたのかわからなくて、ぽかん、とした声を上げる。
その様子に、『王』は笑うように尾を振った]
『……餞別、だ』
『……怯む事無く我に挑みかかり、そして、強大なるものにも挑んだそなたに、我と、我が守護神の祝福を……な』
[困惑する白狼児に、笑うような唸りと共にこう告げる]