[ ――ズムッ 手ごたえあり。槍は確かに片目を貫き、今も瘴気の煙を上げている。 だが――ここが弱点では足りえなかった。 槍の存在が逆に楔となって魔王の顔面から離れることができない。 ――傷を負った手につかまれる。 また刃をふるって指ごと落そうとした時。 パキンと澄んだ音がして、体に仕込んでいた刃は折れ砕け――][ヴェルナーは強く、タチアナの前に叩きつけられた]