[僕が何よりも避けたかったのはこの国が戦場になること。
百歩譲って戦争を"仕掛ける"のは構わない。
勝ちさえすればむしろ得られるものの方が多いのだから。
この国の利益は、そのまま僕の利益へと繋がるのだから。]
……ああ、そういえば。
殿下は随分と愉快な部下を飼っておられるようで。
[けれど、ラメールが戦火に晒される事だけは許容できない。
そうなれば、僕の大切な家族にまで累が及びかねない。]
蒙昧な貴方のことだ。
彼らの甘言に乗せられましたか?
ああ、それとも色仕掛けでも受けたのですかね?
[だから彼を糾弾する言葉は、今までにないくらい痛烈で。
僕にしては珍しく、怒りの感情を露わにしたものになっていた。]*