─ 湖畔 ─ …そう、ですか。[>>40傍らから返された溜息に、彼自身が彼女との因縁がある訳ではなさそうとは分かったものの。それでも、その国の人間というだけでこんな目を向けられること、それを苦に受け取ってもいなさそうなことで、余計に私の翳りは増した。だからといって、彼にこの理由を明かすことはしない──出来ない。そも、そんな悠長なことをしている場合ではないとは彼も分かっているだろうけれど。>>41巫女と彼が称した彼女から向けられた表情、>>42言葉にも翳りは残したまま]