――…じゃあ、他に何を知っていると?
[知らないと言われれば、そう訊いてみただろう。
視界の片端に特徴的な髪色>>44を捉えたが、そちらは後でいいと視線を外す。]
過激な思考だって?
――…誰が人狼かわからないんじゃあ、アンタがやろうとしてることも結局同じことなんじゃねえの?
[過激だと、返る評価には肩を竦めて薄く笑う。]
狼と疑わしきものを疑う?そりゃあ、結構なことさ。
でもな、自分以外を信じられないのなら、――自分ひとりになるまで人狼はいなくなったと断言できないのなら……、それは、自分以外を殺さなきゃ安心できないのと同じことだろう。
アンタは――、どれだけ殺せばこの村に人狼はいないと断言できるんだい?
[言いながらにシモンの瞳を覗き込んでみたけれど、男は読心術なんてものは生憎身につけちゃいないのだった。]