― 軍営 天幕 ―
[霧は再び色を濃くし、交戦不可能な状況を作り出していく。
完全に霧が深まる前に動ける全ての兵が下がれたのは僥倖だったことだろう。
後退した場所に軍営を張り、各自が休める天幕を並べて。
幾日か経過した後に海精軍からの早馬が我々の軍営に辿り着いた>>33]
……あちらも考えることは同じか。
良い機会だ。
[伝書を運んだ使者には十分に休息を取らせ、その間に返答の文書を記す。
休戦に対して是を示し、捕虜に関しては互いが捕らえている者の交換を申し出た。
加えて捕虜の無事も書き添える]