人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


魔王 テオドール

[ 命を賭けた鬼ごっこが始まった。
 泥を蹴立てて、何度も転びながら少年テオドールは走った。
 あちこち向きを変えて降りしきる雨の中、すぐに方向感覚は失われた。

 魔境の中、
 成人も迎えて居ない少年ひとりでは、ただ生きて行くことすら困難だった。
 昏い森の中に引きずり込まれそうになったこともあれば、
 冷たい南海の波間から、白い手に招かれた事もあった。

 雨水を飲み、得体のしれない果実を齧った。
 1日か、3日か、一週間か……時間の感覚すら分からなくなった。 ]**

(48) 2014/04/04(Fri) 16:42:54

SWBBS V2.00 Beta 8++ あず/asbntby