[馬上にて天命石に呼びかけ、冷気を得物へと移す。
周囲にはどちらの技だろうか、うっすらと黒い粉が舞った。
馬は不快を示したが、森で暮らしていた自分には、それが何か判別はつかない。
足下の草が伸びてくるだろうことは>>45、遠目で彼らの周囲が揺れ動くのを見たときから予想していたから、馬の足に任せて躱していく。
まずはと狙った修験者の姿が横方向に流れる。>>41
広がった布を嫌がって馬が前足を蹴り上げた。
不安定な鞍の上で、繰り出された長柄を両の鞭を交差させて受け止める。
一瞬の力を込めて押し返し、右手の鞭のみをなぎ払うように相手に向けて振るった。
振るう瞬間、鞭の先端から氷が伸び、長さを増す。*]