[氏族の長が、赫然として抗弁した。逃げたのではなく、戦っても無駄な相手を避けただけだと。彼らはオークではあっても、戦闘と殺戮の才に関しては誇りらしきものを持っている。それを傷つけられて憤激する族長を冷ややかに見下ろし、つ、と指を向けた。] ならばおまえにしよう。 おまえの命を以て一族の失態は不問にしてやる。 ───次は無い。[狼牙の長が捕えられるさまを見ることはなく、魔王は居城の中へと戻る。素材が運ばれてくるのが、楽しみだ。]