……今のままじゃ、古き民は王府に牙を剥くしかできない。 自分たちの在り方を守るには、それしか術がないから。 でも、それじゃいけない、と思うから……だから。[ここで一度、言葉を切って、呼吸を整えて] だから、知りたい。 あなた方にとって、かつて従わなかった我らは、異なる存在でしかないのか。 己が恵みのために踏みにじるを是とするものなのか。[そこまで言い切り、一つ息を吐く。肩に移った真白の小猿が、きぃ、と小さく鳴いた。*]