[何に使うのか、油を積んだ荷馬車はまだ残されていた。レオヴィルの軍服を着た男はそれらへ顔を向けることもなく、幻想の中を歩くように朧な足取りでそこを歩いて行き] ……[横から、何かに声をかけられるに至って足を止めた。 お前、負傷兵だろう、大丈夫か 動けるようならこっちを手伝ってくれ言葉を聞き取ると頷くように頭を揺らし、招かれるままに近づいていくと、荷置き場から運び出した木箱を車に載せる作業に腕を伸ばした]*