― 集会から三日目・オプティモへ ―
[サシャが、どちらを選んだにしても、一行はやがて海へと乗り出していく。船足の出来るだけ早い船を選んだ結果、乗り心地は多少なりと犠牲となったので、もし船酔いする性質であったなら、少々辛い旅となったかもしれない。
嘗て結界の嵐を小舟で突っ切ろうとした男は、船の上では逆に生き生きと楽しげにしていた。その様子は10歳ばかり若返ったようでもある]
私の先祖は海を渡ってこの島に人々を運んだ船の船長であったという伝承があってな。
[誰かにその様子を突っ込まれるか問われるかすれば、そう答える]
命をかけて船と人々を護り、新天地へと運んだその功績を讃えられ、貴族の地位と肥沃な領土を与えられたのだ、ということになっている。実際は海賊の頭だったのかもしれないがな。
[そもそも、国を追われた人々の末裔だ、そんな可能性もあるだろう、と笑った]