…っ!
[立ち込める鉄錆の臭いに気付いて、演技ではなく思わず顔をしかめた。
昨日襲撃直後に立ち会ったのは事実。そのときにゲルトの姿を見ている。でも朝日の中でそれを想像した途端、自分でも不思議なくらい体の震えが止まらない。
そこでクララに呼びかけているニコラス>>47に気付いた。]
そうですね、ニコラスさん。女性にいつまでもこんな風景を見せてはいけない。
僕、お茶を用意します。さすがに食欲ない人は多いと思いますが、何も口にしないのは良くありませんから。
[極力いつもと同じ口調で喋るように努力をしつつ、厨房に向かった。]