[大事な気がするから捨てられない>>44。そんな話を以前聞いたことがある]『忘れた、って』[笑いながらの言葉に一瞬面食らったものだ。続いた言葉も思い悩むものではなく、色のないリングを愛おしそうに指先で撫でていたのも印象深い]『……ルトがそう思うなら、それで良いんじゃねぇか』[覚えていなくても、そのリングが大事だと思うならばそこに意味があるのだろう、と。その時はそう思って言葉を返したのだったか。今でも持ち続けている辺り、その想いは消えてはいないのだろう]