― 第2エリア・ホテル自室内 ―
[自室へと戻り、避難の為に必要最低限の荷を手に取る。
とは言え、長い船旅でも荷物はトランク一つに満たない。
数個の電子端末と、服の用意ぐらいだろうか。
ハダリーには偉そうなこと>>0:318を言ってはみたが
科学にどっぷりと依存した典型的コロニー暮らしの身だ。
使えるものは、何でも使う非健康的な生活に慣れている。
寝起きの状態で無造作に放置された仕事用の端末を
ベッドサイドの机から拾い上げ、鞄へとしまい込めば
第1エリアのデッキへと向かおうと扉へ振り返り、
『騒がしく乗客が走る音の聞こえる通路』の方へと――
その時、]
『 』
[耳元で体内内蔵型の健康管理装置の再起動音が聴こえた。]