― 回想:12年前 ―
[それは単なる気紛れだった]
──── おや?
[領土拡大のために侵攻したとある村。
道化師が訪れたのは既に侵攻が終わった後だったが、そこで珍しい拾いものをした]
ふむ……人間の赤子、ですか。
運良く生き残ったか、護られたのか……おやこれは。
[生まれたばかりの子だというのに、強い力を発している]
使いようによっては、ですかねぇ。
[小さな獣を掴み上げるように赤子を包んだ布を掴み上げ。
持ち上げられた赤子の顔をじーっと覗きこんだ後、道化師は指を鳴らしその場から消える。
その日から周囲を巻き込んだ子育てが始まったのだった*]