あれは――蒼月の名を持つ者か。[己と違い、四君子の中でも古参であるという。 『王華の選』を幾度も途中放棄しているとは噂に聞いている。 先代『氷華』が『王華』に選ばれた際も、共に選へと臨んでいたはずであるが、その際ははてどうであったか] 『王華』として君臨する気がなくば、初めから選に臨まず立ち去ればよいものを。[彼の者の心中は知らぬまま、独り言ちる] ならば、異界の者を戦に巻き込むこともあるまいよ。[そう言葉を発する間にも、異界よりの客人が、ちらほらとこの地に辿り着きつつあった*]