[初めて戦場で騎竜師と対峙し、傷を負い、傭兵であるロー・シェンに庇われる形で、為す術無く敗走したあの日。あの時まで、彼が戦っていたのは、己自身の為だけだった。だが、今は、少しばかり違っている。その違いが、彼に何を齎すのかはまだ判らない][或いは、彼の騎竜師には感謝すべきなのかもしれなかった。負けなければ判らぬことも、ある。そう知れた事を]