――茶会当日:会場にて――
[その日のリエヴルは、黒の執事服に身を包んでいた。
これで右腕が使えたならば、きっと給仕して回ったんだろうなという見た目である。
もちろん、当人もそのつもりでいた。]
なんで、茶会開いておいて、
自分で紅茶をいれられないんだ……。
[なんでもなにも、怪我をしたせいであるのだが。
放っておくと怪我をおしてやりかねないということで、今日は右腕は三角帯でしっかりと吊るされていた。
左手だけでとなると、たとえ両利きでもやはり不便で。
結局、自分が出来るのは注いでまわるくらいかと、すっかり諦めてしまった。]