― 作戦準備中/拠点内 ―
[カサンドラが重体となった理由も表立っては伝わらない。
ノトカーの時と同じ。そして、公国外務大臣襲撃の時とも似て。
家名に傷を付けず、上に上がる為にはありがたいこと。
だが、自分は何をしたか知っている。起きた事実は消えない。
旧友の死を招き、恩師を信じられず表舞台から退けた。
棘は棘として深く深く刺さったまま。
眠りは浅く、食は細く。
教官の教えとは反対の方向へ流れてゆく]
怪我などするものではないな。
ああ、これ以上の薬は不要だ。倒れるような無様はしない。
最低限は取れているから、それも出来ない所へ回せ。
[いつものように部下には笑う。
…いつものように?……いつからのもの?]