― 平原南 ―[剣を弾き飛ばせるかと思ったが、相手の動きは予想の先を行く。やはりまだ、心のどこかに侮りがあるなと息を吐いた。驕りは勝利を遠ざける。無心になれ。ただ剣に集中しろ。剣を引いて、同じく一歩を下がる。] あの時、俺が何を思っていたか、教えてやろうか。[息と共に、言葉が零れ落ちた。戦いの中で、口調もあの頃に戻っている。]