― 封印の洞窟最奥 ―
慈しみの念
[足を踏み入れたその場所に、男は薄桜の結晶を一つ落とす。
その間に吐き出される毒の息。
男は構わずバジリスクから距離を取りながら、円を描くように空間を駆けた]
拒絶の念
[一定の距離を駆けた後、男は黒紅の結晶を地面へと落とす。
バジリスクが追い縋り、太い尾を振り回してきたのを跳躍することで避けた]
希望の念 逃避の念 祈りの念 怨みの念
[薄桜の結晶と黒紅の結晶。
それらを交互に地面へと落としながら、平行して男は呪を紡いでいく。
バジリスクに対して反撃はしない。
今はただ、避けることと呪を完成させることを念頭に置いた。
やがて、男とバジリスクの周囲に6つの結晶が均等に配置される]