― 水霊領域の小島 ―ユウレン、の。従姉妹同士……。[ふ、と。次代のユウレン女王である従妹の顔が過る。呟く声も、水霊が潜めるのにつられるようにして小さいものとなった]そんなことが、あったのだな。[史書には載らない、秘されたであろう二国間の事実。思わぬ形で知ったそれを聞き、アデルは唇を引き結んだ。まるで口外出来ぬと体現しているよう]