驚かせてしまっただろうか、美しいひと。 貴女のような方を前にしては、衝動に耐えることなどできなかった。 ひとこと、貴女に賛辞を捧げたいと、"彼"の口を借りている次第だ。 可憐で麗しい花の女王よ。 春の淡雪のように甘く優しいあなたの声は、私を蕩かしてしまう。 貴女の前ではどんな色も霞んでしまうよ。 できうることならば、愛らしい貴女の指先に留まる蝶でありたい。[ジルの前に跪き、蠱惑の笑み湛えて彼女の瞳を見上げ、許されるならばその手を取り、指先に唇を落としもしよう。]