[客は、何かにとり憑かれたかのように、震えぶつぶつ呟くばかり。まぁまぁ、そう怖がるなよ。旨いから食ってみろって!謎の召喚呪文とかを唱えなきゃ、大丈夫だって…たぶんな。そんなことを言いながら、客の口に料理を突っ込むという、荒療治をやった医師は俺だ。味の旨さに驚いたらしい客は、完食した挙句、憑きものが綺麗さっぱり落ちたような顔で帰ったのだったか。その日以来、エレオノーレと彼女の料理には、常に新鮮な戦きを感じつつ、敬意を惜しまない]