― 大地の精霊の領域 ―
[気が付くと、今までの何処か不安定な枝の上とは違う、固い大地の上に両足を着いて立っていた。
砂塵や巨大な岩石の転がる荒野は、故郷にはなく初めて目にするもの。
魔力の感覚が鈍い男にも、その地に満ちる大地の気は、ひしひしと感じられた]
ああ。
[真正面に立つアイリ>>29に答える。
黄色のマントを翻し、堂々と立つ姿は、守護者の名に恥じぬ貫禄に溢れていて。
たとえ体格に勝っていても、迫力の上では勝てるかどうか]
なるほどな。
魔力を自由に扱える分、お前に有利という訳か?
[先の様子では、勝負がフェアでないと思えるほど疲弊していたようにも見えたけれど。
今の彼に、微塵も疲労を残している様子はない>>30。
ただ、仮にそうでなかったとしても、彼ならばそう振る舞えるということもまた、自分は知っていた]