……でも本当は違っていた。
いや、そっちの目的もあったんだろうけど、本命は違っていた。
[火酒をグラスに注いだ男は、コンラートにも尋ねたが、それを首を振って断り、]
今、評議会は大変な騒ぎになっているけれど。
君の本当の目的はそっちだったんだろう?
君は彼らの計画を予め知っていて、黙っていた。
彼らの動向を逐一掴みながらも、放置していた。
騒動が決着して、執行人やステファン・リッシュが動き出すと、彼らが適切な段階で情報を入手できるようにお膳立てまでしてやったんだ。
そして、案の定裏切り者たちは一網打尽にされ、マスタークラスに空席がいくつか出来た。
君と君の義父殿の一派にとって望ましい状態になった訳だ。