[女がアルビンの存在に気がついたのは、娼婦の頃にあった事件の様に、自分を化物として扱う声が掛けられてから>>31]
(ここでも、ね)
[この村で女は、穏やかな生活を得る為に本来の自分を捨てて生きていた。なので人目がある事に気づけた事で、ようやく自分を捨てる事が出来た。
冷静さを取り戻したと言うべきか]
冗談はやめてください。仮にも聖職者たる者が、こんな平和な村でこの様な悪魔の所業に至る理由がありませんよ。
それよりも、神父様が言うには橋が落ちたそうです。それを昨夜会った皆さんに知らせないと……。
[本来の目的を思い出し、女は立ち上がった]