[ 三艘の軍船のうち二艘はそのまま残し、又しても男の乗った船だけが、王国船団の後を追う。
前と違っているのは、まっすぐ挑みかかるではなく、あくまで追尾の体で海岸線寄りに進んでいることだ。 ]
さて、どんな罠を用意しているのか...
[ 見え見えの誘いかけに、罠の一つもないと考えるほど、男は単純ではなかった。陸で戦う元首であれば、罠があろうと真っ直ぐに踏み越えるかもしれないが ]
(あるとすれば、陸の援護となる形...)
[ まさか軍船が干潟を越えようとしているとは、さすがに考えついてはいない。けれど、拠点を襲わず北上するからには、自分を誘うだけではない意味がある筈だ、との確信の元、男は動いていた。* ]