橋を落とすだけでは...そうですね、水計か...
[ 即物的な進路分断だけでは、確かに人ならぬ軍団の攻勢は止められないだろう、と、ヨセフの忠告に頷くと、男は視線を一度、川の上流へと向ける。
上流の水源に近い山間に、ひっそりと存在する鉱山の村サンソー。
そこは、飾りや楽器に加工出来る金属を求めてローグの民が頻繁に取引に訪れる村であり、その縁が元で、ローグの血が混じる者も多い場所だ ]
それも、考えておきます。
[ 戦の準備を始めてすぐに、男は、ローグの民が互いに連絡を取るために使ういくつかの拠点に使者を送った。
魔軍襲来の警告と、叶うなら助力を、と請う内容の伝令は、流浪の民達の元にいつ届くかも、応じてくれるかも定かではないものだったが、魔に対しての抵抗の心は、自由を愛するローグの中には根強く育まれている。
鉱山の村も、協力を求めれば水計を助けてくれる公算は大きかった ]