人狼物語−薔薇の下国

512 勇者と魔王の共同戦線!


魔獣 タイガ

[例え天の加護が在る勇者と云えども、彼は人の子。
 魔性の獣として生を受けた我が身が後れをとる道理はない。
 しかし、玉座まで進行を赦したのは紛れもない事実。

 数段高い位置にある玉座の傍に控える身は、自然と勇者を見下ろし。あの時冥府へ送っておけば。と、唇だけが動いて惜しむ。>>38

 勇者に明確に劣るものがある訳ではない。
 だが、いつも今一歩のところで仕留め損なう。

 彼らの仲間が庇うこともある、彼自身が機転を利かせることもある。
 そうして先送りにし続けた決着は、王の御前まで辿り着いた。]


 ―――…忌々しいな、勇者よ。


[彼を生かしておいて、王の統治、己の悲願は叶うまい。
 そう確信させるほどの光が彼にはあり、背に隠した爪が緩慢に開く。
 障害の切除に急かされるように、瞳は煌々と燃えていた。*]

(47) 2018/12/05(Wed) 00:00:21

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