[かつて発作的に翅を毟ろうとした少女は、実験施設へと連行された。 単純な治療ではなく改造を、と持ち掛ける研究員に、痛みに朦朧とした意識の中で、強く美しい翼をと求め。 再び目が覚めた時には、花緑青に隠された後翅が、オーロラ紙に似た淡い輝きを放っていた] 違う、こんなんじゃない![施設には種々の翼持つ者が集められ、中には同じく虫の形状を持つ者もいただろう。 それでも、少女は受け入れることが出来なかった。 皆が当たり前のように持っているものが、どうして] あたしも、鳥の翼が欲しいの!