[焦りが滲むのは、夕刻、上空に騎竜の影を見たせいだ>>40夕焼けに染まる空そのものから生まれ出たような緋色の影…見間違う筈もない]あいつは、もう近くにはいねえと思うが…[主の不安を感じ取ったのか、白馬が小さく嘶く]ああヒルデ、大丈夫だって。二度と同じ下手はうたねーよ。ローを盗られただけで、十分すぎる。[馬の首を優しく叩いて宥めながら、彼自身も泡立つ心を宥めて、辺りの気配を読むことに集中する]