[ただがむしゃらに前へ走ることもいいだろう。けれどきっと自分には、こちらの方が合っているのだ。いいね、と言われると少し照れ臭いけれど。改めて、自分の選ぶ道は間違いではないだろうと思う。] ……はい。 お互いに、この空間で悔いを残さないように。[もっとも、白枝の方は忘れてしまうのだろうけれど――それでも、ここで話したことが、少しでも彼女の心に残れば良い。]『あ……』[去り際、青年の背中から出てきた少女人形は、小さく手を振り返しながら]