――朝――
[壁に凭れてうつらうつらとしていた身体が、立ち上がる瞬間ばきばきと鳴る。それでも今夜はずっと、屋内に居られたから、体力の消耗は少なかった方だろう。
カタリナの部屋に、外から何かが入った様子はない――それを、自室まで引いた罠のワイヤーで知る]
[オットーが自ら正体を現しても、罠は戻せなかった。
――フリーデルが嘘を吐いていないと分かった次は、嘘を吐いたシモンが“何”なのか、確実に、知らなければいけないのだと気付いたから]
[廊下へ出てみれば扉も変わらずそこにあり、カタリナを起こすべきか、少し悩んで、眠れているなら起こすこともないだろうと、そっと階段を下りていく]