[そのとき、オットーが不意に口を開いた>>40。
会話が途切れた瞬間に耳に届いた言葉は思いがけない内容だったから、深く心に染み渡る。]
己の命の価値、ねぇ。
[紅茶のカップは空になっているので、ジャガイモとベーコンに手を伸ばしながら呟いた。
今まで自分は、自分が死にたくないから、生き残りたいから止むを得ず犯す殺人の罪悪感から逃れるために、それに慣れようとしてきたのだと思っていた。だがオットーはそれとは逆の意味があると言う。
普通のパン屋だと思っていた青年の意見としては随分突飛だなと思ったので、興味が湧いた。肯定も否定もせずに純粋な好奇心を向ける。]
何故オットーはそう思うんだ?もっと詳しく教えてくれ。