― サシャ個室 ― ……信用、していないわけじゃないわ。 でも……。[情に流されるまま決断していいのか。 その思いが、彼を人間だと結論づけることを妨げていた。 そこに彼の口から、血筋に関することを告げられて>>44] そう、だったのですね。 ……嘘かもしれない、って疑いを消すことはないわ。 でも、覚えておく。[髪を撫でる手。 その優しさまでも嘘ということはきっとないだろう。 だからしばしの間、それを受け入れて]