[マリエッタが掲げた鉛筆画を見る前に、それまで手に持っていた紅茶を机に置き、少し緊張した面持ちで姿勢を正した]
――……
[しばらく黙ったまま、まじまじと絵を見つめる。
筆運びの一筋一筋を確かめるように細部に視線を走らせ、また少し顔を離して全体を捉えようとする]
――有難うございます。
そうね、そう、あなたはそんな人だった。
[喉を詰まらせるように引き絞られた声が小さく漏れる。
張りつめた息を細く吐いて]
まさか、こんな気持ちになるなんて期待してなかった、本当にまた彼女に会えたみたい。
[そう言って、勝手に笑顔になろうとする口元を片手で抑えて少し俯くように表情を隠した]