― 訓練場 ―
[上からの任に従い過去の狼化病の記録を提出した。
事務的な報告記録に期待はできないが、上も必死なのだろう。
最上級官が殺されたために
自分も狙われるのではと恐れているのかもしれない。
――あれは偶発的な出来事で、あなたに用はないのだけどね。
残った資料をまとめて片付ける。
先日見つけた手記>>1:22は軍の正式な記録ではないから
抜き取って胸ポケットへと忍ばせた。
射撃場はすでに使用されていたようだ。
数名の知り合いとは擦れ違いになったらしく>>26>>34
姿を見ることはなかった。
最初はじっくりと狙いを定めて一ダース。
次は照準合わせから射撃までを最短時間で半ダース。
胸部に集中していた前半と違い、ばらけた後半の射撃痕に苦笑う。
軍人としての最低限の訓練はしていても、
実戦部隊でない以上反射的な動作精度は低い。]