―宴会場―
[宴会場に入れば、既に数名の客が食事をしていた。
どうやら一人一膳ではなく、ビュッフェ形式らしい。]
どうも、こんばんは。
[他の客らに会釈をすると、海と山の幸をふんだんに使用した和洋折衷の料理が並んだテーブルを眺める。
現金なもので、それ程運動していないのに空腹を覚え。
まずは皿に刺身や根菜の蒸しサラダ、雪見豆腐のみぞれ餡などを乗せていく。]
熱燗を一つ貰えますか。
[もうすぐ新年を迎えるからシャンパンでもいいが、その土地の酒を味わうのも旅の醍醐味だ。
宿の従業員にそう言うと、彼らの傍にあった空いた机に座る。
さて、他には何人の客がいるのか。
此処に来る道中、銀髪の青年の姿を見かけたな、などと思い出しながら水を飲む。]