[掌の隙間から溢れ出す光に、思わず目を眇める。名は、体を現す。養父《ちち》に与えられた彼の姓は、国では猛き者を現すそれ。しかし、苛烈こそあれ、温かみの無い、何かであった。その名が奪われ、抹消される。>>42そのことに、どこか胸のすくような思いを覚えたのは、きっと無意識に彼の人へと縛り付けられていたのだろう。温もりの金色と、静謐の銀。二つの光が交じり合い、新たなる輝きを帯びて紅野原を照らす。]