―夕〜夜のどこか―
[枕を人数分持ってきて寝やすいように整えてくれたこと、そして、昨日は共に寝てくれたことの礼をリヒャルトに言いたかったのだが、なかなか望む姿はみえず。
せめてメモ書きでも残しておこうか、後は何か起きた時に軽くつまめるものをと思って寝所へ向かう。
リビングで寝ていないのならこちらだろうかと単純に考えた結果であったが。
そっと中に入ろうとして、中で動く気配があるのに気付く。
耳をそばだてればルートヴィヒのいつになく穏やかで優しい声。>>32
その優しさに、胸が暖かくなる。
邪魔をすることもないと、また礼をいう機会はあるだろうと、ある事を信じてキッチンへと戻った。]