[それにしても、今夜は随分寒くはないだろうか。
まさか少将ともあろう方が、暖房費をケチっているということはなかろうが。
窓ガラスが不穏に鳴り、一瞬、電灯が瞬いた]
(……酷い雪だね。
離れが凍ってしまう)
[急に、コレクションを収めた倉庫の様子が心配になってきた。
今夜は帰りたくないの、と云うはずが、一度気に成り始めたら止まらなくなってソワソワし出した]
……でも、今夜は都合が悪いようですね。
残念だけど、帰らなければならないわ。
[ちらりと時計を確認する。まだぎりぎり執事は待機しているだろう。
居なければ屋敷の電話を借りるしかないか。携帯電話は、使ってなくても基本料金とかがかかるとかが気に入らなくて解除してしまった]