― 灼熱の闘技場 ―
だから、とにかく治療をしたいんだけど……。
[闘技場の中へ戻ると、何処行ってたんだと先ほど自分を闘技場に押し出した例の相手に捕まった。
再び引っ張られるようにして闘技場の中を連れていかれる間、抗議の声は上げるが聞き入れてくれる様子はみられない。
先ほどの勝利の味をしめてだろう、直ぐさまもう一回出ろという主旨の内容に最大に眉を顰めたが、周囲を取り囲む人ならざる者らの視線から、断るという選択肢は与えられないようだった。
諦めに似たため息が落ち、再び押し出されるように、熱気と歓声と野次の中央へと、押し出されるようにして足を向けた。]