――ッ!?[しかし、今回の魔物の動きは違った。突入してくる兄を数匹の魔物が抑えるのみで、他は四散。後方に控えている仲間へと襲い掛かる。見たこともない魔物たちの前に、傭兵も有志も無力だった。少年も例外ではなく、左腕を焼かれて、一行と少し離れた所でうずくまったまま身動きが取れずにいた。兄が斬り伏せた筈の魔物も死なずに立ち上がり、疲労と焦りの色が見える兄へと次々と襲いかかっていく――] にいちゃん!『おれに構うな! 逃げろ、イェンス!』[それが、兄と交わした最後の言葉]