[シャワーであたたまった身体で、手早く身支度を整えて。常に外さないようにしている、左手の白い手袋を着ける。用心から枕もとに置いておく癖のあるホルスターごと、警備用の銃と、大切な短剣を身に纏った。短剣に嵌っている澄んだ空色の石は、ル・ウルタールという生まれ故郷の砂漠の星の、希少な鉱物。通信機器も兼ねている小さなピアスを左耳につければ、鏡に映るのは、警備部の制服に包まれ中性的な青年のように見える、いつもの視察研修者カレル・ソレイリューヌだ。]