―村内―うー、寒。[男は肩を竦めて襟を掻き合わせる。エプロンを外した格好に黒いウインドブレーカーを羽織った姿。けれど襟元のガードは緩かったので容赦なく冷たい風が入り込む。]…じーさんとこに着いたらあったまらせて貰おう。[そう言うと、半ば駆けるようにして老人の家へと向かう。広場の前を通れば、知った顔が見えて]どーもぉ。何か不便はないですか?[村内の御用聞きも仕事である。>>34一人住まいの黒髪の軍人にひらりと手を振って挨拶をした。]