[使者の話は、纏めると、このようなものだった。
――撤収後、速やかに向かって貰いたい先がある。
――出来れば、ごく少人数。単独行動でも良い。
――ロストルム・フェーダ国境、いまや最前線として戦火のもとにある街。
――シュヴァルベへ、潜入して欲しい。
――両国は多大な数の兵を失い、少数ながら他国からの傭兵をも受け入れているという。
――一般に募集された傭兵に混じり、目立たず、動ける者。
――なるべくならば、あちらに慣れた者が欲しい。
――鋼の団には、両国への滞在経験が長い者が多いため…――]