さぁ、最期の仕事だ。[シュテラの元から去ろうと立ち上がる。感傷に浸っている暇はないし、どちらにせよここで追い付かれるのは本意でもない。終焉の場所を荒らすのは、それが誰であっても許されない、許さない。最後、さらりと撫でた彼女の面差しは写真の彼とよく似通っていて。]総てを無に還す。零と為る。…あぁ、結局俺《このて》は壊すことしか識らない。[自嘲気味な笑いは誰故か。そんな想いを振り払うように前へ、唯ひたすらに。]